HP公開記念ワイン会のワインリスト
多くの出席者の方がワインを持参下さり、ありがとうございました。店から出されたワインも含め、当日のワインをリストにしました。関はすべてテイスティングさせていただきましたので、簡単な解説・コメントを付させていただきます。当日供されたワインは十八銘柄に及びました。
スパークリング (三銘柄)
白(四銘柄)
赤(十一銘柄)
7. シャトー・サント・コロンブ、ACコート・ド・カスティヨン 2005年
(ジェラール・ペルス)《篠原さん》
ボルドー、サンテミリオンに接する産地。近年、リーズナブルで美味しいボルドー右岸のACとして注目される。メルロ70%、カベルネ・フラン30%。オーナーのペルスはシャトー・パヴィなどを所有の富豪。ミシェル・ロランをコンサルタントに据え、1999年にスタートしたものの2008年に生産を中止してしまったとのこと。採算が合わなかったのかも。そのくらいリーズナブルで高品質なワイン。2005年はボルドーの良作年で熟成感もありつつ、まだまだいけるという仕上がり。鳩(コロンブ)のエチケットと共に印象深いワイン。
8. トロワ・セードル・デ・ドメーヌ・エドモン・ド・ロートシルト、ACモンターニュ・サンテミリオン 2012年
(ベンジャマン・ド・ロートシルト)《渡邉さん》
ボルドー、サンテミリオン衛星地区と言われるモンターニュ、ピュイスガン、リュサックの三つの村の一つ(現在のモンターニュはサン=ジョルジュとパルサックが三村合併したもの〔1972年〕。サン=ジョルジュは高品質のワインを産したために、現在でもACサン=ジョルジュを銘記できる)。ラフィット・ロートシルトを所有するロスチャイルド家の一員、エドモンの息子ベンジャマン男爵はボルドーに二シャトーを所有する。その一つがピュイスガンのシャトー・デ・ローレ(もう一つはリストラックのシャトー・クラルク)。ところがこのローレはピュイスガンとモンターニュの境目にあり、モンターニュにも畑が広がっている次第。このワインはそのローレのモンターニュ側でできた葡萄から作られたワイン。セパージュはメルロ70%、カベルネ・フラン20%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%。タンニンよりはメルロの果実味がまさった比較的穏やかな味わい。
10. サントネ、ACサントネ 2001年
(パトリック・クレルジェ)《関》
関の銘酒に関するモットーは「ワインは寝かせて飲め」。中でもブルゴーニュに対しては「村名ワインを飲むべし」。これらは別に高いワインだけに該当するわけではありません。このサントネなどはその典型。ボーヌのネゴシアン、クレルジェがおそらくは村の複数の作り手からワインを買い付けブレンドしたもの。サントネもコート・ドールのボーヌ側(もう一方はニュイ)の村ですから理にかなっています。サントネ村のワインの特徴を正確に伝えているかは疑問ですが、ACブルゴーニュとは明らかに違う味わい。しかも、二十年近く熟成したブルゴーニュが手軽に楽しめます。このようなワインの嗜みをベースにレストランで銘酒を味わえば、その素晴らしさもより明確にわかることでしょう。
いかがでしたでしょう。語り出すときりがなくなってしまいますので、なるべく短くまとめたつもりなのですが。得意のボルドーについてはついつい筆が滑ってしまいました。皆様もご自分の愛するワインを大いに語って下さいますよう。
では、次回をお楽しみに。